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株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.017】関与先対応:専門見識以外で優位に立つと出てくる“自信”(1/2)
             

  先生方と言えども、企業経営者や関係者から“軽く見られている”と感じることがあるかも知れません。あるいは、有力企業の経営者や総務部長の集まりに呼ばれ、“気後れ”することもないとは言えないでしょう。
  ただ、そんな“気後れ”は、ほとんどの場合“気にするほどのものではない”はずですが、それが“経営者との面談回避”や消極的な姿勢につながったのでは問題です。
  そこで、対経営者的な“自信”という、やや分かりにくいものに、2回シリーズで取り組んでみようと思います。

             
   
    【01】 “社会保険労務士”は軽く見られている?
   
        時々、『社労士は軽く見られている』という言葉を、先生方ご自身から伺うことがあります。あるいは、そんな直接的な表現でなくとも『ただの社労士だと思われたくない』と言われるなら、やはり意味するところは同じでしょう。ただ、本当に“社労士先生”は、軽く見られているのでしょうか。
  答を急ぐなら、それは先生方に限らないと言えそうです。たとえば、パンを焼く難しさを自分で体験している人が、パン屋さんを軽く見たりはしません。その難しさや、おいしいパンの秘密に興味がない人が、『パン屋風情が…』とパン屋さんを軽く見るのでしょう。
  その責任の重さや業務の苦悩を知らない人は、一国の総理大臣でも『あのおっさんは…』と軽く見ます。世の中そんなものでしょう。
       
   
    【02】 知らない人にも軽く見られたくはない!
   
        しかし、“これで万事解決”とは行きません。なぜなら『社労士先生のことを深く知る人からだけ、重く見られればそれでよい』というものではないからです。知らない人にも軽く見られたくはない…、そのためにどうするかを考えないなら、ここでこのテーマを取り上げる意味がないからです。
  さて、では、どうすれば“知らない人”にも軽く見られないで済むのでしょうか。そして、どうすれば、そんなストレスを感じずに、どんな経営者やビジネスマンとも、同等よりちょっと“上”に立って、話をすることができるのでしょう。そのためには“国家資格”を強調すればよいのでしょうか。
       
   
    【03】 国家資格強調の危険性
   
        先生方は確かに国家資格者ですが、それがそのまま“対人関係の優位性”を作ることは、決して多くはないでしょう。たとえば筆者は京都大学の法学部を卒業していますが、『ああ、東大ではないんだ』と言われることがあるのです。先生方も、国家資格を強調すると『ああ、弁護士ではないんだ』と言われるかも知れません。
  野球の“や”の字もできない人が、三振するプロのバッターを罵倒するように、その道に縁遠い人は、簡単に“バカにする材料”を見つけ出すものです。 『そんなバカなことはしない』と言われる先生でも、もしかしたら“法解釈”の話を、素人にめんめんと語っているかも知れません。その価値も意味も知らない人は、『この人、弁護士でもないくせに…』と感じているかも知れません。
       
   
    【04】 必要なのは…
   
        要するに“資格”などの客観的なもの、あるいはそれを連想させる話は、場合によっては『一層軽く見られてしまう状況を誘う』懸念もあるということです。では、何が必要なのでしょうか。
  一口に言うなら、必要なのは“意味のある得意分野”を知らしめることです。ホームランが打てないバッターでも、バントがうまければ軽くは見られません。逆に、重要な場面でバントに失敗しても、ホームラン・バッターなら、『あそこで彼にバントを命じる監督が悪い』と、誰もが別の人を責めるでしょう。“得意分野”が知られていれば、様子は一気に変わるのです。
  では、先生方の“得意分野”は何なのでしょうか。ここでまた、次の問題が出てきます。
       
   
    【05】 得意分野の表明のしかたを間違ってはいけない!
   
        たとえば『得意分野は人事制度だ』と考えた場合、それは“資格”の領域からあまり出ていません。もちろん、先生方の資格は諸手続きと社会保険に係わるものであり、人事制度は先生方が独自に習得された“得意分野”です。しかし、そんなことは一般には知られていません。そのため“資格の印象”とそれほど大きくは違わないのです。
  さて、あれこれ遠回りしましたが、先生方の“絶対的な得意分野”は、たとえば“多くの企業の経営実態や組織実態を知っている”という“状態”に置かなければならないのです。なぜでしょうか。それは“そんな状態が誰にでもイメージしやすいし、誰からも壊されにくいポジション”だからです。
       
   
    【06】 先生に一目置く経営者の心境
   
        たとえば、先生方を軽く見ようとしていた経営者が『待てよ、この先生、色々な企業の実態を知っている。その広い見聞からすると、わが社や私はどう見えるのだろう』と感じ始めると、こう言ってよければ、“立場の強弱”は明確になるでしょう。
  『うちの経営の話?そんなこと先生に分かるのか』と感じさせているために、経営者は先生に対して横柄なのかも知れません。同じように、たとえば保険会社の担当者などは、『社労士先生より、自分の方が就業規則を作るのが早いよ。だって、うちにはひな型が充実しているもの』などと言うことがあります。そして、そんな勘違い人でも、『先生方は、その就業規則を実際に様々な企業に提供し、現場の問題に直接触れている』と気付けば、“ひな型”が“現実”に勝るとは考えなくなるでしょう。
       
   
    【07】 だから一目置かれたい時には…
   
        一目置かれたいなら、資格や技能ではなく、“ゆるぎない体験”をベースにしなければなりません。そして、それが“自分の深い体験”なら、決して誰にも軽視できるものではないと、改めて意識しなおすことが大事なのです。
  たとえば、同じ社労士先生から『君は体験不足だね』と言われたら、その開業間もない先生は、ひるむことなく『ベンチャー企業の社長とは話がよく合いますよ』などと言い返すべきでしょう。逆に『先生、パソコンも分からないのですか』と、若手先生に軽視されたら、『ああ、君では僕のように、パソコンが分からない経営者とは話ができないだろうね』と言い返せます。
  自分の深い体験の分野では、誰もが決して“誰からも軽視されない貴重な存在”なのです。
       
   
    【08】 得分分野を知らしめる秘法は“話し方”にある?
   
        ただ“体験”に裏打ちされた得意分野を、どのように示して行けば良いのでしょうか。あるいは、関与先や関係者に、どう気付かせて行くべきなのでしょうか。
  『私は、様々な企業の経営実態を深く知っている』という印象を効果的に与える方法は、実は意外にも、その“話し方”にあるのです。詳しくは、次回にご一緒に考えましょう。
       
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