社会保険労務士、社労士、マーケティング、コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

社会保険労務士事務所、社労士事務所、マーケティング、コンサルティング、小さなヒント

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.055】“10分間”で“顧問契約”等の意義を語り切る視点とストーリー
             

  “ちまた”には1分間や3分間のスピーチがあります。そして、1分間スピーチでは“魅力的な話題を選ぶセンス”が問われ、3分間スピーチでは、テーマを1つに絞り込みながら、簡潔で分かりやすく“ストーリーを構成する力”が問題になると言われます。
  そうなると、社会保険労務士事務所の業務は、“1分間”や“3分間”で語るには、確かに複雑過ぎるのです。しかし“10分間”で語るのならどうでしょう。しかも、そんな短い時間で“経営者のハートを射抜く”話題をも組み込めるとしたら、今後の活動の中で、是非にも“考えておく”べきテーマになると言えるかも知れません。


             
   
    【01】 社会保険労務士事務所との“契約の意義”を語り切れているか?
   
        顧問契約であれ、スポット契約であれ、社会保険労務士事務所と“契約”すると、企業にはどんな“メリット”があるのでしょうか。そしてそんな“問い”に、短時間で的確に応えられるでしょうか。
  たとえば、小さな子供に『社労士って何をする人?』と聞かれた時、『労務諸手続きの代行だよ』と言っても、ピンとは来てくれないかも知れません。あるいは『社内トラブルの解決者なのだ』と言うと、ちょっと事情を知らない大人からは『弁護士とどう違うのか?』と問われそうなのです。
  そんな中で、10分でなくても“簡潔”に、かつ“印象に残る”形で、社労士業務を語り切ることはできるのでしょうか。それが問題なのです。
       
   
    【02】 “語り”の“切れ味”が提案機会を拡大する!
   
        “問題”と言っても、もちろん社労士先生としての基本的な業務姿勢が問われるわけではありません。“提案”に際して、契約締結に向けた“推進力”を、どれくらい保持しているだろうか、という類の“問題”なのです。
  経営者にアプローチする時、あるいは契約提案に向かう時、しばしば“簡潔+印象”が、契約成否の明暗を分けることは、今さら申し上げるまでもありません。特に、労務や総務にあまり関心を示さない経営者を“実りある契約交渉テーブル”に着かせるには、ちょっとした“一苦労”があるはずなのです。
  しかしそんな“一苦労”が、たとえば『“未払い残業代”で困っていませんか』、あるいは『“サービス残業”体制を放置してしまっていませんか』というものだけなら、一山超えても“次の山”を超えにくくなってしまうのです。もちろん、解雇に関連する問題や病欠やハラスメントの話題も同様です。
       
   
    【03】 鮮烈な話題は“忘れる”のも早い 〜 のど元過ぎれば…
   
        それらの“話題”は、あまりにも“時宜を得ている”ため、確かに多くの経営者が注目するでしょう。話を聞いてもくれるはずです。もちろん“契約”にもスムーズに至れるかも知れません。しかし、ほとんどの場合、表現は悪いですが『始めは、驚くほど“食いつき”が良くても、徐々に“反響”が減り、その後“反応”自体が乏しくなる』のが実態ではないでしょうか。
  それはセンセーショナルな“個別問題”は、一旦解決すると、経営者にとっては『もういい』ものだからだと考えるべきでしょう。“のど元過ぎれば、もうはや熱さは感じない”わけです。顧問契約を締結した後でも、社内の“残業代関連トラブル”を感じなくなると、経営者は“顧問契約自体の意味”を見失います。就業規則コンサルティングなどの一過性の契約では、なおさらでしょう。
  全くの新規先でも、他事務所の“サービス”を既に受けた経験のある経営者なら、“トラブル”話題にさえも興味を示さないかも知れないのです。
       
   
    【04】 “あせり”は更なるマイナスを生む
   
        そうした傾向の中で、特に“顧問先維持”のため、社会保険労務士事務所の皆様には“あせり”が生じるかも知れません。そして徐々に『顧問契約さえしていれば、どんなことにも対応する』かのような“姿勢”に追い込まれてしまいます。
  この“姿勢”は、経営者には“うけ”が良いかも知れませんが、一旦“うけ”た後で、(顧問料の範囲内で)あれもこれもさせられるという状態を覚悟する必要も出るのです。
  そんな状況を目の当たりにするにつれ、多くの社会保険労務士事務所が積極的な“企業アプローチ”に向かう中で、今、“何か重要なこと”が欠けているように感じないではいられないのです。ただ、いったい“何が欠けている”のでしょうか。
       
   
    【05】 今“原点”中の“原点”のテーマに答を出そう!
   
        それは、まだ社会保険労務士事務所の存在意義に気付いていない経営者や、既に“特定の業務や問題”を意識して“顧問契約”をしている経営者に、短い言葉で“社会保険労務士事務所との提携の意義”を語り切る、こう言ってよければ社労士業の“概念”です。
  そもそも社労士業とは何なのでしょうか。何がどうだから、弁護士や一般の経営コンサルタントと違うのでしょう。あるいは、企業が“これは必要だ”と感じる“社会保険労務士事務所の機能”とは、いったいどういうものなのでしょうか。
  し烈な競争の中で、あっと言う間に“成果の色もあせかねない”状況下では、こうした“原点”中の“原点”について、徹底的に“考え”をまとめ、『社労士業ってのは、こういう仕事をするのですよ』と言い切れる“概念”にまで“まとめ上げる”必要があると言うべきかも知れないのです。
       
   
    【06】 社労士業を“簡潔+印象的”に語る?!
   
        しかも、自分の事業の世界では“プロ”でも、マネジメントとなると、まだ“子供”のような感覚しかない経営者や、既にマネジメント意識は“大人”でも、社会保険労務士事務所の意義を明確に把握できていない経営者が、決して少ないとは言えません。
  そのため、先生方が“まとめ上げる”社労士業概念は、まさに10分程度でも語り切れるほどシンプルで、10分でもインパクトを与えるほどの“印象”パワーが必要だと申し上げているわけです。
  では、社労士業を“簡潔+印象的”に語るには、何に着目し、どうストーリー化すればよいのでしょうか。
       
   
    【07】 着目すべき“両輪”
   
        短時間で社会保険労務士事務所の“魅力を伝える”には、常に“2つの印籠を持つ”ことです。その一つは、申し上げるまでもなく、労使トラブルの防止と予防です。そして“経営に不満を持つ従業員”が、いかに業績の足をひっぱり、絶好のチャンスを見過ごすかを、経営者に分からせなければなりません。
  “経営”を信頼しない従業員は、『ピンチに対応せずチャンスに動かない』ため、単に業績悪化の要因になるばかりではなく、事業チャンスを見過ごすという意味で、大きな“機会損失”にもなっているわけです。時には、考え方次第で解釈が変わる“社内秘密”を、誤解と偏見の中で“漏えい”してしまうかも知れません。
  経営者が従業員を養っているのではなく、従業員の意識と行動が“業績”を直接に左右することを、改めて経営者に認識させることが、第一の印籠なのです。
       
   
    【08】 弁護士や経営コンサルタントを吹っ飛ばそう!
   
        しかし、“第一の印籠”だけなら経営コンサルタントでも弁護士でも“対応”できます。社労士先生でなければ“できない”ことをアピールしなければなりません。それがまさに“マネジメントの財源形成”なのです。これが“第二の印籠”です。
  財源確保には“助成金”や“社会保険料調整”など、目に見えるテーマもありますが、何より従業員の見識レベルでは、決して届かない“高度な労務管理”を、従業員の人件費よりも“はるかに安価”に推進できる体制のアピールが大事でしょう。給与計算代行でも、この“高度+安価”の概念が重要なのです。それは“画期的な社内体制革新”でもあり得るのです。
  そして、経営者が『高度な労務管理体制を安価に敷いた』と自覚できるなら、高度な労務管理を、先生の支援の下に“遂行”したくなるでしょう。雑用で先生を振り回すことを、決して“得”だとは思わなくなると言うことです。先生も“次々に提案する”ための障害を越えやすくなります。
  この“外部支援で内部体制を革新する”という業務は、弁護士にも経営コンサルタントにもできません。まさに社会保険労務士事務所の“独壇場”のテーマなのです。
       
   
    【09】 他事務所との“違い”を明確にするには…
   
        ただし、“第一の印籠:社内のピンチを減らしチャンスを拡大する”視点と、“第二の印籠:組織マネジメントの財源確保”視点だけでは、他の社会保険労務士事務所との“違い”をアピールできません。そこに“視点を明確化”するだけではなく、他の社会保険労務士事務所では説明し切れない“話法=10分間トーク”を練り上げる意味があるのです。
  社労士業を営むのは皆社労士先生だから、誰でも“自事務所との提携メリット”を分かりやすく語れると思うと、大きな勘違いを引き起こします。“紺屋の白袴”あるいは“医者の不養生”で、自事務所との提携メリットを“簡潔+印象的”に語る努力をしていない“プロ”は、案外多いものなのです。
  まずは、経営者に理解させ、弁護士や経営コンサルタントと一線を画するために、第一と第二の印籠を基に、経営者にアプローチするストーリー作りに、今年の第一テーマとして、取組んでみていただきたいと思います。
  もし、うまく“概念化”作業が進まない時には、参考教材をご参照ください。
       
     
  【参考教材ご案内】

  提案を切り出すための10分間勝負(社会保険労務士事務所版)

  ◇顧問契約提案プレゼンツール(社会保険労務士事務所版)    
       
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