公認会計士、税理士、社労士、保険代理店、生保営業職員、保険営業、マーケティング、コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

会計事務所、社労士事務所、保険代理店、生保営業、ヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.010】活動の基礎:“うまく仕組みが作れない”と感じた時に考えるべきこと
             

  顧客を呼び込むにせよ、既存先や紹介者の満足を高めるにせよ、 なかなか《仕組み》ができないし、何から《仕組み》化に取り組むかのイメージもわかないとしたら、考えてみなければならないことがあります。
  それは、“仕組みとは何か”とか“仕組み作りの方法”などの直接的なモノではなく、むしろ《活動の基礎》に属するテーマなのです。

             
   
    【01】 “仕組み”が形としてはできたのだが…
   
        販売管理ソフトを販売する会社(A社)がありました。特に、保険代理店など、営業力が企業力を直接左右する先に、顧客データや営業マンの行動を管理するソフトを提案していたのです。
  A社は当然、ホームページを作ります。販売管理ソフト導入で成果を出した事例をまとめた“無料小冊子”も企画しました。提案書を揃えましたし、提案プッシュのための顧客活用事例や、ソフト活用に悩んだ時のサポート案内まで、準備は万端だとも言えそうです。
  そう言ってよければ、マーケティングの“仕組み”は揃っていたわけです。しかし、頼もしいはずの“武器”が、なかなか思うように機能しないのです。
       
   
    【02】 “仕組み”のイメージさえわかないケースもある
   
        A社は、それでも、進んでいると思います。普通、《何を仕組み化するか》のイメージさえわかず、販売のために“ソフト・メーカーが作ったパンフレット”しか用意していない企業も、同業者には少ないとは言えないからです。
  ところが、その《進んでいるはず》のA社は、《遅れているはず》の同業者よりも、大きな成果をあげているとは言えません。むしろ、1件の顧客を得るのに四苦八苦しているようで、それを見て、同業者は“A社は調子に乗って、資料を作り過ぎじゃないの。資料で営業はできないよ”と言っているのです。問題は、どこにあったのでしょうか。 
       
   
    【03】 “仕組み”に必要な重大要素
   
        《仕組み》には、たとえばサッカーやラグビーなどの集団スポーツのように、《全資料が同一の目的(敵陣ゴール)に向かって突進する》という“統一性”が必要です。もちろん、もっと丁寧に言うと、《敵陣ゴールへの突進と自陣のゴールを守る力の組織的な統一》とでも言うのでしょうか。
  その“統合性”や“統一性”のないまま資料やホームページを大量生産しても、それを読む顧客は“混乱”するだけかも知れません。そこまで行かなくとも、『お役にたちます!』としか言わず、メーカーのパンフレットで営業する同業者に、差をつけることができないままなのです。
       
   
    【04】 “仕組み”なしの状態に戻れるか?
   
        それならば、資料を捨て去って、一部の同業者のように“メーカーのパンフレット”だけで展開すれば良いのでしょうか。多分、それでは《A社自身が満足できない》のです。なぜでしょう。
  それは、A社が、ただ営業成果のためだけに、仕事をしているわけではないからです。『ソフトを売り上げたらそれで良い』のではなく、何か“仕事をしている意味”“自分の存在感”のようなものを確かめながら働きたいわけです。皆様も、もし“成果を出せばそれで良い”と考えるのではなく、“活動の意味”や“存在感”、あるいは“顧客にとっての価値”などを考えるなら、A社と同じような悩みに陥るかも知れません。
       
   
    【05】 皆様方の悩みにも似ている面がある…?
   
        A社と同じような悩みとは、“あれこれ仕組みや資料を作っても、その成果が出ているとは思えない”という思いです。あるいは、そこに至るまでにA社が持っていたような“仕組みのイメージ自体がわかない”という悩みかも知れません。
  そして、そんな悩みに陥ると、ほとんどのケースで《作る資料や提案書が分かりにくくなってしまう》傾向があるのです。ただ『儲けたい』『成果を出したい』とだけしか思わないなら、その思考や活動はシンプルですから、資料作成でも悩みが少ないでしょうし、顧客から見てもシンプルで分かりやすく、その分“存在感”を感じやすいのです。その結果、成果もついてきます。 
       
   
    【06】 成果だけでは満足できないのが専門性の高いビジネスの特徴
   
        もし成果や利益だけで満足できるなら、儲け以外、一切考えないことでしょう。他者から見ればパンフレットしか使っていないようでも、そこには、その人の“行動”や“トーク”で、最も初歩的な活動の仕組みが出来上がっているはずです。
  ただ、その活動は、他の全ての活動同様、【代償】を支払わなければなりません。その代償とは、同じような人、つまり“成果だけにしか興味が持てない人”以外からは、尊重されないということです。そしてそれは、徐々に“専門性”の看板とは似つかわしくないものになってしまうでしょう。
       
   
    【07】 徹底して磨き上げるべきモノ
   
        ではA社はどうすべきなのでしょうか。一口に言うなら、“儲けたい”と同じくらいシンプルになるまでに、自分の思いや価値観を《磨き上げる》ことです。もし、中堅中小企業の発展や業務効率化の役に立つ存在として認められたいと思うなら、どうすれば“役に立つか”を、“儲けたい”という思いに匹敵するほど、まずは《自分に分かりやすくする》ことだと思うわけです。
  あるボランティアの人が言っていました。『今、アフリカの子供たちに医療を受けさせる。それしか考えていない』と。しかし、彼がしていることは、アフリカの子供たちの実情を資料にし、募金の仕組みを作って、お金を集めることです。彼の前職である営業と何ら変わりません。しかも、彼は『自分は営業には向いていない』と言っていたはずなのです。
       
   
    【08】 それこそが《ストーリー》!
   
        その『アフリカの子供達に医療を受けさせる』というのが、シンプルさの点では“儲けたい”に匹敵する行動理念なのです。(社会的価値としては、もはや同じ土俵に並んではいないでしょうが…)
  そして、そのシンプルな行動理念が、迷いを払しょくし、考え方や資料を統合し、分かりやすい形にするとともに、活動しやすい環境を作ってしまうわけです。もちろん、そんな行動理念は簡単には見つからないかも知れません。しかし、まずは見つけて、それを磨き上げる行動に着手しないと、苦労の割に成果が出ない状況からの脱出も、徐々に難しくなってしまうかも知れません。
  実は、そんな考え方から、《行動理念をピュアにする》重要なステップとして、《ストーリー化》の小冊子を作製した次第です。作成後、数ヵ月が経過しますが、2010年になって再び、小冊子請求が増えて来ました。
  そんな最近の動きを感じながら、A社の話を思い出していたわけです…。
       
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