公認会計士、税理士、社労士、保険代理店、生保営業職員、保険営業、マーケティング、コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 


株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.019】契約獲得:日々重要性を増し続ける“境域のサービス”?(1/2)
             

  会計事務所は、基本的な業務をきちんと遂行していればそれで良いという考え方もできます。“できる”というより、その考え方の方が確かに“王道”でしょう。
  ところが昨今、そのきちんと遂行すべきだと考えられてきた“基本的な業務”自体に、大きな変化があると言えるのではないでしょうか…。

             
   
    【01】 低姿勢になってしまった“料亭”のように…
   
        たとえば高級な料亭は、以前なら、言わば“無条件”が基本でした。“紹介”を受けて赴く客に、メニューを云々する権利はありません。権利がないと言うより、客には“自分の好みを主張する”度胸など出ないのが普通でした。そこは、まさに“権威者”としての料理人と女将が“仕切る”別世界だったのです。
  それが、今はどうでしょうか。もちろん“昔ながらの料亭”も数多く残りますが、客に“有無を言わせぬ”ほどの自信と権威に満ちた店は、本当に少なくなりました。しかも、老舗の料亭で、マツタケの土瓶蒸しに“香りスプレー”を使っていることが発覚するようなケースもあり、料亭サイドとしては、顧客の意識に気を配りながら、“オープン”な姿勢を心がけなければならなくなったのです。一口に言うなら“低姿勢になった”ということです。
  しかし、それは“料亭”だけの問題でしょうか。
       
   
    【02】 “士業”先生も…
   
        やはり“士業”先生にも、類似する部分が出ています。たとえば“士業”先生のサービスは、むしろ“決まった”ものでした。会計事務所と言えば、することは“決算”であり、それ以外のことは、いかに重要な業務でも“付加価値”と呼ばれるのが現状だからです。
  ところが、その“付加価値ではない本業”が、料亭の世界同様、特別なものではなくなりつつあります。中には“決算はソフトでできる”と断言する経営者や管理者もいます。もちろん、パソコンの中にある“会計ソフト”にできることは“計算”に過ぎませんが、インターネットを通じて、税務署の見解ばかりではなく、様々な“調べごと”ができるのが現実です。
  知識を身につけてやって来る企業は、料理の味を“知っている”料亭の客と同じです。
       
   
    【03】 まだレベルの高い“経営者”は少数派?
   
        『いやあ、そんなレベルの高い客ばかりではない…』と言うのも事実でしょう。確かに今のところ、旧態依然とした中堅中小企業の方が多数派でしょう。しかし、将来も同じでしょうか。現在“若手”と呼ばれる経営者や、その次の世代の人たちも“旧態依然”としているのでしょうか。
  こう考えると、今“高齢”に達している経営者の皆様の感覚も、深いところでは変わってきているのかも知れないという気さえしてきます。ベテラン経営者たちも、旧態依然とした状況から“抜け出す”勇気を持てないまま、現状に不満や不安をため込みながら“経営”しているのかも知れません。
  もし、そうだとしたら“ちょっとしたきっかけ”から、爆発的な変化が始まるでしょう。ため込まれた不満や不安の爆発力が、どんなに大きいかは“歴史”を見れば簡単に分かります。
       
   
    【04】 まだ間に合うから…
   
        だからこそ、つまり“将来激しい爆発が予想”されながら、まだ“間に合う”今だからこそ、準備を始めておく必要があるわけです。中堅中小企業経営者には、まだまだ“世の中がはっきり変わる”のでなければ動けない“鈍感”にも見える経営者が多いかも知れません。その一見した“鈍感”さゆえに、今の中堅中小企業は“元気”がないとされるのでしょう。
  ところが、少し以前には『中堅中小企業は身軽だから変化対応が早い。むしろ巨艦になってしまった大企業の方向転換の方が難しい』と言われていたことを覚えておられますか。1980年代で、まだ30年もたっていません。中堅中小企業が現在弱いのは、まさに“自分たちの身軽さ”を忘れてしまっているからでしょう。
  そんな中で、中堅中小企業のリード役である“士業”が、企業経営者と同じように“鈍感”なのでは話になりません。
       
   
    【05】 危険によりもチャンスにこそ敏感でいよう!
   
        ただし、大事なのは“危険”や“困難”に対して“敏感”になることではありません。むしろ、目の前にある“チャンス”にこそ敏感になるべきでしょう。その意味では、“現状の問題に圧倒される重苦しさではなく、目の前にあるチャンスを感じる身軽さ”こそが、企業にも士業にも大事なのだと感じます。
  しかし、そんな“身軽さ”をどのように獲得すれば良いのでしょうか。結論から申し上げれば、それはたぶん“新たに獲得”するよりも、“今邪魔している何かを捨てる”ことで実現するのではないかと思います。
       
   
    【06】 新たなチャンスへの展開をジャマするもの…
   
        “何か”とは…。その“何か”はおそらく、『士業ってこんなものだ』という“思い込み”ではないでしょうか。事務所の中に、あるいは先生の見識の中に、豊富に見識どころか“商売のネタ?”が潜んでいるのに、“士業の仕事はこうだから…”と決め込んで、その芽を育てていないのではないかということです。言い過ぎでしょうか。
  もちろん“育て方”は慎重でなければなりません。しかし、“新たな芽を育てよう”とする意志は、もっと大胆に持っていいのではないかと感じないではいられないのです。
       
   
    【07】 大胆な発想と慎重な育て方
   
        では、“大胆な発想”と“慎重な育て方”は、どのように両立するのでしょうか。その両立視点が、“現在蓄積している事務所の見識を順次有料サービスに磨き上げて行く士業商品化”の発想です。
  新しい商品を買うのではありません。新しい商品は、慎重に選んで大胆に使う必要がありますが、事務所の見識の商品化は“大胆な発想”と“慎重な育成”で実現して行くからです。弊社も、それまで蓄積していた経験を、まだ世に存在しない事業に育て上げる“実験”を、1994年に始めて今、信念を持って、その“技術”を公開できる段階に達し得た気がしています。
       
   
    【08】 次回に大胆にまとめよう!
   
        そんな“大それた”話の前に、今“会計事務所”に無理なく取り組めるはずの“大胆発想+慎重育成”について、次回で少しまとめておきたいと思います。
  その内容の多くは従来、“慎重にお伝え”してきたことですが、先行きの風が急速にあやしくなってきている今日、“大胆にまとめておきたい”と思うのです。
       
       
      会計事務所ヒント集一覧
       
 
     
Copyright(C) CIBE Editorial Institute, Ltd. All Rights Reserved.