公認会計士、税理士、会計事務所、マーケティング、コンサルティング
 
 
 
 
 
 
 
 
 

会計事務所、マーケティング、コンサルティング、ヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.095】経営指導:《経営指導》を会計事務所の《競争力》にするポイント
             
 

 《経営指導》とか《MAS》と呼ばれるものは、それ自体が魅力的であったとしても、会計事務所の基本業務からは《どんどん離れて行く》傾向を持つという印象が残るかも知れません
 しかも、経営指導の名の下に、たとえば《資金繰り》や《利益の改善》を、それができない経営陣に変わって《引き受ける》としたら、多少のフィー(料金)を取っても、会計事務所としては《割に合わない》ことの方が多いでしょう。
 しかし実は、会計事務所の基本業務自体を《経営指導》に位置付けられるとしたらどうでしょうか。会計事務所の普通の仕事が、小さな工夫で、そのまま《経営指導》になるということです。
 そうなれば、事務所の競争力強化に留まらず、たとえば、計画経営の提案も容易になるかも知れません。


             
   
    【01】《経営》はなぜ《行き詰まる》のか?
   
       現状維持にせよ、更なる飛躍を狙う時にせよ、企業経営は常に《行き詰まり》のリスクに晒されていると言えるはずです。
 たとえば、安値政策を打ち出した競合先に対応するために、自社商品を値引きしたら、それがそのまま利益と資金収支を悪化させる結果に終わることがあります。あるいは、新しい市場を狙って積極投資をしたのに、思うように顧客を獲得できないケースもあるでしょう。
 しかし、それが《行き詰まり》状況にまで至るには、それなりの《理由》があると言えるはずなのです。
       
   
    【02】《具体的な問題》を見失うから行き詰まる
   
       なぜなら《行き詰まり》状態とは、打つ手が見つからなくなった状況を意味し、打つ手が見つからないのは、しばしば《問題実態》を見失うためだと捉え得るからです。
 競合先との価格競争に負けそうになった時でも、たとえば、自社の原価の高さ、それも《特定の材料費の高さ》に問題があると見出せるなら、少なくとも《改善行動》を始めやすいでしょう。もちろん、その次に《材料変更》で行き詰まることはあり得ても、最初から立ち往生してしまうことにはなりません。
 そして《材料変更》に際しても、その材料提供者を、たとえば具体的にリストアップできれば、なにがしかの《行動》が始まるはずなのです。その意味では、経営は《次々に問題を具体化し続ける》ことで、改善の推進力を得るものだとも言えるかも知れません。
       
   
    【03】経営にタッチしない会計事務所は本来、存在しないはず!
   
       そうだとしたら、経営上の問題を浮き彫りにするはずの《決算》が、少なくとも、経営に無関係なはずはありません。『あの会計事務所は、経営にはタッチしない』と言うのは、単に、決算数値を読み切れない経営者の言い分に過ぎないわけです。
 ただしもちろん、《決算》内容にも問題がないとは言えないかも知れません。たとえば、いわゆる《節税》のために損益計算書の《正確性》が歪んでいたり、《社長勘定》の存在等で、貸借対照表が実態とかけ離れてしまっていたり、それ以前に《売上》や在庫管理を含む《原価》が、適正に計上されていなかったりすると、《決算》は容易に《事業本姿を表現しなくなる》からです。
       
   
    【04】ただ《決算》が事業実態を反映していないとしたら…
   
       《事業本姿を隠す》と言わないまでも、決算業務が《税務申告》だけに終始し、そこから《売上》や《原価》、あるいは《経費》や《資金繰り》の《データ》が取れないとしたら、今度は決算が、事業の本姿を《見つけにくい》ままで放置していると言えるかも知れません。
 そして、そんな状態が続くと、経営者は《決算》を経営の主たる道具だとは思えなくなるのです。そんな状態のまま、予実管理や経営計画等、計画経営を提案しても、現状がつかめていない経営者には、先行きの見通しや計画は、全て《絵に描いた餅》以上には見えないでしょう。
 計画経営が、なかなか中堅中小企業に定着しない背景には、そうした《事情》があるとは言えないでしょうか。
       
   
    【05】会計事務所だけでは実現できない《決算》の意味の再認識
   
       ただ、だからと言って、会計事務所が《決算》のあり方を先行的に改善しても、肝心の経営者が動かないのでは意味がありません。まずは、計画経営等を提案する前に、いかに《決算》によって、事業実態を把握することが重要かを、経営者に知らしめる必要があるのです。
 事業実態を数値で掴まないなら、そもそも、予算であれ計画であれ、《見通し数値》計算の前提条件でさえ、作れないのではないでしょうか。
 つまり、決算数値を《経営者の主たる関心事》に位置付けることは、会計事務所にとってのみならず、企業経営自体にとっても、大きな意味を持つのです。
       
   
    【06】頑張る前に求められる《適切な判断》
   
       従来のように、社会全体が拡大方向に《流れ》ている時は、そのトレンド(流れ)を追って、ひたすら《頑張る》ことが、経営上でも肝要でした。四の五の言わず《頑張る》ことこそが、経営の核心だったとも言えるのです。
 しかし、昨今のような《淘汰社会》では、ただ《頑張る》だけではなく、適切に《判断》することが、何より重要になります。適切な判断をしないまま、《方向性》を見失ってしまっては、《頑張り》が無益に終わるばかりではなく、かえって危機を招来することさえあるからです。
 たとえば、本来、運転資金に余力を残しておくべきなのに、無理をして起死回生の設備投資に走ったために、資金ショートを必要以上に早めてしまうようなケースでは、経営者の《判断ミス》こそが、自社を危険に陥れたのだと言えるからです。
       
   
    【07】淘汰社会で経営者が《認識》すべきこと
   
       そうした観点から、《事業の現状認識》と《決算を深く知る》ことの経営上の重要性に、今、多くの経営者が《改めて気付く》べき時に来ていると考えられるのです。 もちろん、現状を放置したままでは、経営者の《気付き》は促進されませんから、会計事務所からの積極的な働きかけが、益々重要になって来ていると言えるはずです。
 今や、逆に《決算業務は安価なほど良い》という勢力もあります。もちろん、費用対効果を斟酌した上では、確かに《安価》に越したことはないでしょうが、その傾向が、ただ《決算=税務申告作業》という位置付けを促進するなら、それはまさに《マネジメントの窒息》を招きかねません。
       
   
    【08】経営管理とは自社に合った決算法と計画経営法を選択すること
   
       大企業や経営体制が充実した中堅中小企業では、まず、何より《決算で事業実態を把握する》ことに重きが置かれます。そしてその上で、経営管理のための基本業務として、予実管理や経営計画、投資計画や財務戦略設計が繰り広げられるのです。
 その手法を、そのまま《形》として真似る必要はないでしょうが、それぞれの企業の実態に合った《決算》法と《計画経営》法の導入なしに、淘汰環境を勝ち残るのは、今や至難の業になったと考えるべきでしょう。経営者の《判断=舵取り》が、企業の死活を分ける今日では、確立された手法なしに経営することは、船も飛行機もないまま、海を越えようとする行為に似ているかも知れないからです。
       
   
    【09】経営とは実際《何》を《どうする》ことなのか?
   
       そして、一般論ではなく、企業の実態や企業経営者の素養を見ながら、《その企業に合った経営管理》法、すなわち《決算》と《計画経営》への具体的取り組み法を提案できるのは、会計事務所を置いて他にはないと言えるのです。
 会計事務所は、改めて《経営指導プログラム》を第三者から援用しなくても、その基本業務と延長上にある諸手法で、まさに《現代に欠かせない経営管理手法》を企業に導入させるための準備を、決算業務を通じて実施するという形で、《経営指導》を実現できるわけです。
 決算による《問題把握》によって、経営者が《選択》した活動が成功するかどうかは、経営者自身の課題ですが、経営者が連続して生じる問題把握を諦めない限り、会計事務所への依頼は終わることがないでしょうし、会計事務所が計画経営《手法を教える》指導を行う限り、経営指導のネタが尽きることもないはずなのです。
       
   
    【10】企業にも士業にも重要なテーマになるもの
   
       単なる《全体不況》から、急速に《二極分化》へと社会が動き始めた昨今、経営者が、単に経営を学ぼうと思うだけではなく、《経営とは具体的に何をどうすることなのか》を実践的に意識することの重要性を、声高に叫ぶべき時に来ています。
 会計事務所業務に《安値要求》が出る昨今、《決算》の経営的意味を訴えることは、会計事務所業界にとっても、その将来性を左右する、大きなテーマになり得るのかも知れません。
       
     
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